蜷川実花「うつくしい日々」

2017年の蜷川実花の写真集。撮られているものはいわゆる日常風景で、蜷川実花といえば、の、あの華々しい感じじゃない。

 

何枚かはっとする写真があった。もともと、ありふれた街並み、なんでもない風景みたいなものが好きなのだけど、そういうものを撮った写真だから惹かれたということだけじゃなくて、写されている光景の、その日の光の感じが伝わってくるような、そして自分の記憶のなかのいつたわったかを想起させるような、そんな綺麗さに惹かれた。お花が散りばめられてなくても、色彩感覚は蜷川実花的なのかな。

 

ありふれた風景に愛おしさを感じるのは、一度限りのこの生を生きているからだと思っている。

この写真集は、蜷川実花が、父・蜷川幸雄の死の前後?の日々を写したもので、そんな状況設定を知れば、ありふれた風景の尊さは強化される。